車載システム、ストレージ、IoTアプリケーションに適した次世代ARC-Vプロセッサ
概要
2023年11月7日 カリフォルニア州サニーベール発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ARC® Processor IPポートフォリオを拡張し、RISC-V ARC-V™ Processor IPを追加したことを発表した。これによりお客様は、ターゲット・アプリケーション向けに最適な電力/性能効率を実現できる柔軟で拡張性の高いプロセッサ・オプションを幅広く選択できるようになる。シノプシスは、数十年にわたるプロセッサIP開発とソフトウェア開発ツールキットの知見を活かし、実績豊富なシノプシスARCプロセッサのマイクロ・アーキテクチャをベースに、拡大するRISC-Vソフトウェア・エコシステムを活用できる新しいARC-VプロセッサIPを開発した。
シノプシスのARC-VプロセッサIPには、高性能、ミッドレンジ、超低消費電力のタイプと、機能安全対応バージョンがあり、幅広いアプリケーションの実行負荷に対応できる。ソフトウェア開発を加速するため、堅牢で実績豊富なシノプシス MetaWare開発ツールキットがARC-VプロセッサIPをサポートしており、非常に効率的なソフトウェア・コードを生成できる。さらに、ARC-VプロセッサIPと協調最適化されたAIベースのフルスタックEDAスイート Synopsys.ai™が、すぐに使える設計/検証環境を提供しており、ARC-VベースSoC開発の生産性と結果品質の向上を支援する。
インフィニオン社 オートモーティブ・マイクロコントローラ担当上級副社長 Thomas Boehm氏は次のように語っている。「車載システムに搭載されるチップ数の増加により、半導体エコシステムには弾力的な対応が求められており、そのために業界はRISC-Vのようなオープン・スタンダードの採用を推進しています。シノプシス社は、機能安全認証を取得したRISC-VベースのプロセッサIPを提供し、最高レベルの機能安全性を備えた高性能な車載システムを構築するためのオープン・スタンダードで、車載システム・アーキテクチャの選択肢を広げるサポートをしてくれています。私たちは、今後の製品開発においても同社とのパートナーシップを継続することを楽しみにしています」
RISC-V InternationalのCEOであるCalista Redmond氏は次のように語っている。「オープン・スタンダードのRISC-V ISAは世界規模で採用が進んでおり、半導体設計の未来を形作ろうとしています。RISC-Vがコンピューティングの進化を加速し続けられるのは、シノプシス社のような技術革新企業のコミットメントとソリューション開発のおかげです。シノプシス社のARC-V Processor IPと協調最適化されたEDAソリューションの組み合わせによって、RISC-Vエコシステムの柔軟性と選択肢が拡大し、あらゆる業界のチップ設計に貢献します」
数十年に渡って独自の市場要件に対応したプロセッサIPを開発してきた専門技術
シノプシスが複数世代にわたって提供してきた電力効率/拡張性の高いARCプロセッサは、数十億もの車載システム/ストレージ/コンシューマ/IoT向けSoCで使用されている。シノプシスは、商用プロセッサIPの開発/提供/サポートで培った豊富な経験を活かし、RISC-V ISAをサポートするプロセッサ・ポートフォリオを拡充している。超コンフィギュラブルで拡張性の高いARC-VプロセッサIPにより、開発者はSoCを差別化し、消費電力/性能/面積(PPA)のバランスを最適化することができる。
シノプシス IPプロダクトマネージメント&ストラテジ担当上級副社長 John Koeterは次のように述べている。「RISC-Vプロセッサは、より高い設計柔軟性、より多くの選択肢を求める設計者の増加に伴って支持が高まっています。当社はこの声にお応えして、ARC Processor IPポートフォリオを拡充しました。実績豊富で拡張性の高いRISC-V ISAをベースとしたプロセッサ・ニーズに幅広い選択肢を提供し、お客様の多様なアプリケーションの実行負荷要件への対応を支援します」
シノプシスのARC-V Functional Safety(FS)Processor IPには、システム・エラーを検出するハードウェア安全機能が統合されており、ASIL BおよびASIL Dの安全レベルをサポートし、機能安全規格 ISO 26262および自動車サイバーセキュリティ認証 ISO 21434への適合達成までにかかる期間を短縮する。ARC-V FSプロセッサIPは、ISO 9001認証済みの品質管理システム(QMS)に基づいて開発されており、設計者はASIL Dが求める難易度の高いシステマティック開発基準を満たすことができる。またMetaWare Development Toolkit for Safetyにより、ソフトウェア開発者はISO 26262に準拠したコードの開発期間を短縮できる。
ARC-VベースSoCの設計と完全検証のためのソリューション・ポートフォリオ
シノプシスは、ARC-V Processor IPを組み込んだSoCの設計期間を短縮するさまざまなツールとテクノロジを提供している。主要なものは以下の通り。
またシノプシスは、業界でのRISC-V命令セット・アーキテクチャ(ISA)の普及を支援し、将来のコンピューティング・アーキテクチャ標準規格の策定に貢献するため、RISC-V International Board of DirectorsおよびTechnical Steering Committeeに参加したことも発表した。
提供開始時期
32ビットARC-V RMXエンベデッド・プロセッサIPは、2024年 第二4半期の提供開始を予定している。32ビットARC-V RHXリアルタイム・プロセッサIPならびに64ビットARC-V RPXホスト・プロセッサIPは、2024年下半期の提供開始を予定している。
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。
<お問い合わせ先>
日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3500
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