業界の代表企業各社が、シノプシス・ユーザー会の会場にて、デジタル設計、アナログ設計、検証、テスト容易化設計、製造容易化設計へのAIの応用に関する知見を共有
概要
2023年3月29日 カリフォルニア州サンタクララ発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、年に一回開催しているシノプシス・ユーザー会(SNUG:Synopsys User Group Silicon Valley)会場にて、最先端のデジタル/アナログ半導体の設計/検証/テスト/製造に向けたAIベース設計ソリューション Synopsys.aiを発表した。開発者は史上初めて、システム・アーキテクチャ開発から設計、製造までの半導体開発のあらゆる段階でAIを活用可能となり、クラウド上でAIベース設計ツール群にアクセスできるようになった。車載チップのリーディング・カンパニーのルネサス社では、既にSynopsys.aiテクノロジーを採用し、半導体製品性能の向上と開発コスト削減を実現しつつ、開発期間を数週間単位で短縮している。
Synopsys.aiツール群が提供するAIベース設計ソリューションは下記の通り。
シノプシス EDAグループ ジェネラルマネージャー Shankar Krishnamoorthyは次のように述べている。「設計の複雑化、開発リソースの制約、開発期間の短縮要請が厳しくなることに伴い、アーキテクチャ検討から設計、製造に至るまで、AIを駆使したEDAツール群の必要性が高まっています。そして当社は、そのパイオニアです。Synopsys.aiソリューションにより、お客様各社では、設計上の最適解が潜在するスペースを異なる設計技術分野にまたがって探索する能力が飛躍的に向上しました。Synopsys.aiは実行を重ねるごとに学習していくため、使い込むことで最適解の発見はより速くなり、厳しい設計目標や生産性目標を達成するための能力は、新たな次元へと進化を続けていきます」
Synopsys.aiの詳細は下記より入手可能。
https://blogs.synopsys.com/from-silicon-to-software/2023/03/29/synopsys-ai-eda-tools/
AIを活用した半導体設計で業界をリード
Synopsys.aiソリューションは現在、半導体メーカー上位10社のうち9社で使用されており、シノプシスはこの分野における先駆的リーディングカンパニーとしての地位を確立している。このソリューションに組み込まれている各種AIエンジンは、設計プロジェクトごとに独自のデータ・セットで継続的にトレーニングを行うため、時間の経過とともに設計結果最適化の熟練度が向上していく。
AIを活用したEDAツール群についての業界のリーディングカンパニーのコメント
ルネサス エレクトロニクス株式会社 IoT・インフラ事業本部 コアIP開発統括部 周辺回路設計部 部長 池野辺高浩氏は次のように語っている。「設計の複雑化に伴い、従来の人手に頼った手法では、品質と開発期間の目標を達成することは困難になってきています。Synopsys.aiソリューションの一部であるVCS®によるAIベース検証により、機能カバレッジの抜けを最大1/10に削減、IP検証効率が最大30%向上しました。複雑化するデザインの課題の解決にAIが寄与できることが実証されました」
MediaTek社 ディレクター Xian Lu氏は次のように語っている。「世界の様々な機器の動作には、高度に複雑化したチップが必須であり、そのためには最高品質なシリコンの実現が不可欠です。テストコストを最小限に抑えながら、高い欠陥カバー率を実現するテスト・プログラムを迅速に開発するためには、常に方法論を改善し、新しい技術を導入する必要があります。AIの活用によるテストパターン自動生成の品質向上は、将来のシリコン・テストの目標を達成するために不可欠です」
TSMC社 デザイン・インフラストラクチャ・マネージメント 責任者 Dan Kochpatcharin氏は次のように語っている。「当社は、お客様が、カスタムおよびアナログ・ブロックのデザインでプロセス間のマイグレーションを行うにあたって、高効率かつ短期間に設計を完了できるよう、シノプシス社のようなOpen Innovation Platform®パートナーと緊密に協業しています。シノプシス社の最新のAIベース・アナログデザイン・マイグレーション・フローと、当社の最新のPDKにより、広く使われているプロセスから別のプロセスに効率的にデザインを再利用して、最新プロセス・テクノロジの電力/性能/面積向上のメリットを活用できるようになりました」
IBM Research社 Global Semiconductor R&D and Albany Operations担当副社長 Huiming Bu氏は次のように語っている。「先端技術ノードでは、光近接効果補正のための正確なリソグラフィー・モデルを持っていることが重要です。AIやマシンラーニングを活用することで、シリコン製造時に最良の結果をもたらす高精度なモデルの開発を加速することができます。シノプシス社とAIベースのマスク・シンセシス・ソリューションで協業することで、パートナー各社がより短期間で製品を市場投入できるようになることは喜ばしい限りです」
NVIDIA社 アドバンスド・テクノロジ・グループ 副社長 Vivek K. Singh氏は次のように語っている。「AIは、事実上あらゆる分野を再構築する可能性があり、半導体産業へのメリットも大きなものです。当社は、シノプシス社のようなリーディング・カンパニーとの協業を通じて製品の生産を加速・向上させ、業界に新たなフロンティアを切り開くことを目指しています」
また、Moor Insights社の業界アナリスト、Patrick Moorhead氏は次のように評価している。「AIは半導体業界を変革しています。これによって、設計者は人間の能力だけでは不可能な、より複雑なチップを開発できるようになります。AIが切り開く地平は想像もつきませんが、飢餓、疫病対策、気候変動といった世界的な大問題への取り組みも含めて、今よりもっと速く、もっと多くの問題を解決できるようになることは確かです。シノプシス社は現在、明らかに業界に先駆けてチップ開発フロー全体にAIテクノロジを浸透させています。我々は、業界の未来に向けた彼らの技術投資を称賛すべきです」
関連情報
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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<お問い合わせ先>
日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3500
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