高性能コンピューティング/AI/グラフィックSoCで最大921ギガバイト/秒ものデータ転送速度を実現するHBM3 IPソリューション
概要
2021年10月7日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 -シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、2.5Dマルチダイ・システムイン・パッケージ実現のためコントローラIP、PHY IP、検証用IPを提供する業界初の完全なHBM3 IPソリューションを発表した。HBM3テクノロジの活用により、設計者は、高性能コンピューティング/AI/グラフィックSoCに搭載されるメモリーで必要とされる高速データ転送ならびに低消費電力を実現することが可能となる。シノプシスのDesignWare HBM3 Controller and PHY IPは、実チップ実証済みのHBM2E IPをベースにシノプシスが持つインターポーザの専門技術を活用して開発されているため、最大921ギガバイト/秒(GB/s)ものデータ転送速度を達成でき、開発リスクを削減できるソリューションとなっている。
カバレッジ解析/検証プランニング機能を備えた検証IPや、エミュレータ ZeBu®ですぐに使えるHBM3メモリーモデル、FPGAプロトタイピング・システム HAPS®からなる検証ソリューションにより、HBM3 IPならびにSoCの検証期間を短縮することができる。また、アーキテクチャ検討/インプリメンテーション/システムレベル解析の統合ソリューションを提供するマルチダイ・システム設計/解析統合プラットフォーム 3DIC Compilerにより、HBM3を組み込んだシステムの開発期間全体を短縮することができる
DesignWare HBM3 Controller IPは、コンフィギュレーション・オプションの柔軟性が高いため、多岐にわたるHBM3ベース・デザインに対応できる。エラー訂正コード、修復管理、パリティーチェックなどの先進のRAS(Reliability, Availability, Serviceability)機能の搭載により、レイテンシを最小化し、データ整合性を最適化することができる。
ハードニング済み、またはユーザーによるコンフィギュレーション可能な状態で提供される5nmプロセスのDesignWare HBM3 PHY IPは、ピン辺り最大7,200Mbpsで動作し、消費電力を大幅に削減するとともに、最大4つの動作ステートのサポートで周波数をダイナミックにスケーリングすることが可能である。また、マイクロバンプ・アレイが最適化されているため、面積を最小化することができる。インターポーザ・トレース長のサポートにより、設計者は、動作性能を悪化させることなくPHYの配置を柔軟に行うことができる。
HBM3検証IPは、次世代のSystemVerilog Universal Verification Methodologyアーキテクチャで構成されているため、既存の検証環境での活用が容易で、より多くのテストを実行することができ、テスト開始までの期間を短縮できる。また、エミュレータ ZeBuですぐに使えるHBM3メモリーモデル、ならびにFPGAプロトタイピング・システム HAPSを活用することで、RTLならびにソフトウェアの検証が可能となり、より高い性能へと導くことができる。
シノプシス IPマーケティング&ストラテジ担当上級副社長 John Koeterは次のように述べている。「当社は、HBM3/DDR5/LPDDR5といった最先端のメモリー・プロトコルのための高品質なインターフェイスIPや検証ソリューションの提供を通じて、大量のデータを処理しなければならないSoCの設計/検証をサポートし続けております。信頼できる単一ベンダから提供される完全なHBM3 IPならびに検証ソリューションをご活用いただくことにより、設計者の皆様は、データ転送速度/レイテンシ/消費電力の要件を満たした設計が可能となるだけでなく、検証期間の短縮も達成することが可能となります」
シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、PVTセンサー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。
詳細情報はhttps://www.synopsys.com/designwareより入手可能。
顧客ならびにパートナー企業のコメント
マイクロン社 High-Performance Memory and Networking 副社長兼ジェネラルマネージャー Mark Montierth氏は次のように語っている。「当社は、業界で最も高性能なソリューションを提供することにより、世界最先端のコンピューティング・システム実現を支援することにコミットしています。HBM3は、次世代の高性能コンピューティング・システムやAIシステムに欠くことのできないメモリー・データ転送速度を可能にしてくれます。当社とシノプシス社との協業により、超高速データ転送、低消費電力、比類なき性能を兼ね備えたHBM3ベース製品の開発エコシステム実現が加速します」
サムスン・エレクトロニクス社 Memory Product Planning 上級副社長 Kwangil Park氏は次のように語っている。「大量のデータ処理でコンピューティング革命をもたらす高性能コンピューティング/AI/グラフィック、その他のアプリケーションでは、必要とされるデータ転送速度が爆発的に増加しています。世界をリードするメモリーチップ・メーカーである当社は、あらゆるアプリケーションで高まっている高速データ転送の要請に応えるため、エコシステムの確立とHBM開発に注力し続けています。シノプシス社は、HBM分野のエコシステムの先駆者であり、非常に重要なパートナーです。当社は今後も、最高性能のHBM製品をお客様各社にご提供し続けてまいります」
SKハイニクス社 HBM Product Champion and Head of DRAM Product Engineering 副社長 Cheol Kyu Park氏は次のように語っている。「当社は、半導体製造ビジネスをグローバル展開するリーディング・カンパニーとして、AIやグラフィックスなどのアプリケーションで爆発的に増加しているデータ処理容量の問題を解決するため、HBM3 DRAMなどの次世代メモリー・テクノロジの開発への投資を続けています。当社はシノプシス社との長年に渡る協業を通じて、最大のメモリー性能/容量/スループットを実現できる完全テスト済みかつインターオペラブルなHBM3ソリューションをご提供してまいります」
株式会社ソシオネクスト データセンター&ネットワーキングビジネスユニット ビジネスユニット長 林豊氏は次のように語っている。「SoCソリューションのリーディング・カンパニーである当社は、業界をリードするパートナーであるシノプシス社と共に、多岐に渡るマーケットの顧客企業向けに包括的なソリューションをご提供しています。シノプシス社とは、5nmのHBM2E IPとフルシステム・マルチダイ開発統合プラットフォームで協業してまいりました。その協業を今回のDesignWare HBM3 IPならびに検証ソリューションに拡張してまいります。それによりお客様各社では、HBM3仕様に則ったメモリー性能/容量をSoCに実装していくことが可能となります」
提供可能時期ならびに関連情報
DesignWare HBM3 Controller IP、PHY IP、検証IP、 ZeBuメモリーモデル、HAPS、3DIC Compilerは、既に提供を開始している。
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<お問い合わせ先>
日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940
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