データの不正改ざんやハードウェアへの攻撃などからSoCを保護するための機能安全メカニズムを強化したISO 26262準拠のtRoot Hardware Secure ModuleならびにARCセキュリティ・プロセッサ
概要
2021年4月14日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、車載向けSoCのISO 26262認証取得にかかる期間を短縮する機能安全メカニズムを統合した新しいDesignWare® tRootTM Hardware Secure Module(HSM)ならびにARC® SEM130FS Safety and Security Processor IPを発表した。ASIL B準拠のtRoot HSM for Automotiveは、ARCプロセッサ、サイドチャネル攻撃防御のための拡張性の高い暗号化機能、真性乱数生成機能、外部メモリー・セキュア・コントローラなどからなるセキュリティ・システムに、永久障害、過渡障害、潜在障害からシステムを守るハードウェア・セキュリティ・メカニズムを提供する。ASIL D準拠のARC SEM130FS Processorには、厳格なオートモーティブ・セーフティー要件に対応するため、デュアルコア・ロックステップ機構などのセーフティー・クリティカル・ハードウェア・メカニズムが追加されている。いずれのIPも、チップレベルやシステムレベルでのISO 26262 ASIL BやASIL D準拠性認定を促進する故障モード影響診断解析(FMEDA:failure modes, effects and diagnostic analysis)レポートなどの安全性立証ドキュメントをサポートしている。
SGS-TÜV Saar GmbH 半導体製品担当マネージャー Wolfgang Ruf氏は次のように語っている。「ADAS、テレマティクス、レーダー、V2X通信、産業機器をはじめとするセーフティー・クリティカルなシステムに対するセキュリティ攻撃は増加しており、開発者は、故障要因を根絶すると同時に最先端のセキュリティ対策を講じる手段を見つける必要があります。機能安全メカニズムを追加してDesignWare tRoot HSMならびにARC SEM Processor IPソリューションを強化することにより、シノプシス社は、開発者の皆様が顧客企業のASIL目標を達成し、セキュリティ攻撃から経済価値の高いデータや通信を守れるSoCをより容易に開発できる道を拓きました」
Root of Trustを実現するDesignWare tRoot HSMは、実装/検証済みのセーフティー/セキュリティ・ソリューションであり、信頼性の高い実行環境(TEE:trusted execution environment)を提供する。また、ハードウェア冗長性、レジスタ誤り検出符号(EDC:error detection codes)、メモリー誤り訂正符号(ECC:error correction codes)、ウォッチドッグ・タイマー、セルフチェッキング・コンパレータといったセーフティー・メカニズムをシステム全体に組み込むことができる。さらに、セキュア・ブート、デバッグ、ファームウェア・アップデート、暗号キー管理などの機能によって、コネクティッド・カー上でやり取りされる機密データを保護する。
Synopsys SecureShieldTMテクノロジを搭載したDesignWare ARC SEM130FS Processorは、ハードウェアのランダム故障対策からシステマティック開発フローまでカバーするASIL D準拠の機能により、ソフトウェア/ハードウェア/サイドチャネル攻撃からセーフティー・クリティカルなシステムを守る。デュアルコア・ロックステップ機構、メモリーやインターフェイスのECC機能、内部レジスタの過渡障害防止機能、診断のための故障注入機能、セルフチェッキング・セーフティー・モニターといったハードウェア・セーフティー機能も提供する。また、ASIL D準拠のARC MetaWare Development Toolkit for Safetyも、このプロセッサをサポートしているため、ISO 26262に準拠したソフトウェアの開発/デバッグ/最適化プロセスが容易になる。開発者が目標のASIL基準を達成するのを支援するため、VC Functional Safety Managerを通じてARC FMEDAレポートが提供される。さらに故障シミュレータ Z01Xは、ISO 26262が規定する故障注入テストの要件を満たす完全な故障モデル・セットを提供している。
シノプシス IPマーケティング&ストラテジ担当上級副社長 John Koeterは次のように述べている。「コネクティッド・カーに対するセキュリティ攻撃の脅威は高まっています。SoC全体に各種のセーフティー/セキュリティ機能を統合することによって、車載システムに対する悪意あるサイバー攻撃やデータ漏洩などのリスクを最小限に抑えることが可能となります。当社の新しいARC SEM130FSならびにtRoot HSM for Automotiveには、様々なハードウェア・セーフティー機能やセキュリティ機能が組み込まれていますので、開発者の皆様は、ISO 26262基準を達成し、自動車が取り扱うセンシティブなデータやその通信を保護することが可能となります」
シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、IO、PVTセンサー、組込みテスト、アナログIP、インターフェイスIP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。プロトタイプ開発、IPに関連するソフトウェア開発、ハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、IP品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。
詳細情報はhttps://www.synopsys.com/designwareより入手可能。
提供可能時期ならびに参考情報
DesignWare ARC SEM130FS Processorは、2021年 第二4半期の提供開始を予定している。DesignWare tRoot HSM for Automotive IPは、2021年 第三4半期の提供開始を予定している。
詳細情報は、下記より入手可能。
https://www.synopsys.com/designware-ip/processor-solutions/arc-functional-safety-processors.html
https://www.synopsys.com/designware-ip/security-ip/root-of-trust.html
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。
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<お問い合わせ先>
日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940
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