シノプシスのDesignWareプロセッサIPが京セラドキュメントソリューションズによる超解像度イメージ処理機能を持つSoCの一発完動に貢献
概要
2021年3月9日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、京セラドキュメントソリューションズ株式会社(本社、大阪。以下、京セラ)が、畳込みニューラル・ネットワーク(CNN)エンジンを搭載したシノプシスのDesignWare ARC EV6x Embedded Vision Processor IPとMetaWare EV Development Toolkitを活用して、最新の複合機(以下、MFP:Multifunction Products)向けSoCの一発完動を達成したと発表した。同社は、プログラマブルなARC EVプロセッサを用いて、超高解像度を実現する高性能AIを組み込むだけでなく、将来のAIモデルにも対応できる柔軟性を実現した。また同社は、シノプシスのFPGAベース・プロトタイピング・ソリューション HAPS®も活用し、ARC EV向けソフトウェアの開発/SoC統合/システム検証の短期化も達成した。
京セラドキュメントソリューションズ株式会社 技術本部 ソフトウェア開発統括部 部長 岡田充弘氏は次のように語っている。「当社のMFP向けSoCに最先端のAI機能を組み込むためには、高性能/低消費電力なプロセッサIPと高品質なソフトウェア開発ツール群が必要でした。それによって、SoCの開発と並行して、AIアルゴリズムの選定とテストを行うことができます。当社が定義した拡張性/性能/面積の要件を満足させるソリューションは、シノプシス社のDesignWare ARC EVプロセッサIPと実績豊富なMetaWare EV Development Toolkitだけでした」
DesignWare ARC EV6xプロセッサIPファミリーは、ビジョン・プロセッシングを高精度かつ高速に実行できるスカラー/ベクターDSPとCNN処理エンジンを搭載している。SR-GAN、MobileNET、Yolo、GoogLeNet、SSD、ResNetといった一般的に用いられている畳込みニューラル・ネットワークにも対応している。また、包括的なソフトウェア開発ツール群とソフトウェア・コンポーネントからなるMetaWare EV Development ToolkitがEVプロセッサをサポートしているため、アプリケーション・ソフトウェア開発を簡略化することができる。このツールキットには、TensorFlowやPyTorchなどの一般的なフレームワークでトレーニングされたニューラル・ネットワークを解析し、プログラマブルCNNエンジン向けの実行ファイルを自動生成するMetaWare NN Compilerが含まれている。
シノプシス IPマーケティング&ストラテジ担当上級副社長 John Koeterは次のように述べている。「新しいAIアプリケーションには、最新の高性能ニューラル・ネットワークが組み込まれるため、設計者がSoCをスケジュール通りに開発するためには、優れたハードウェア・テクノロジとソフトウェア開発ツールの両方を必要とします。シノプシスが提供するAIに最適化されたIPソリューションが高速かつ正確なビジョンAI処理を可能としたことで、京セラ様のような企業各社では競争力のある製品をより迅速に、大幅に少ないリスクで構築することができます。」
提供可能時期ならびに関連情報
DesignWare ARC EVプロセッサIPならびにARC MetaWare EV Development Toolkitは、既に提供を開始している。
https://www.synopsys.com/dw/doc.php/ss/kyocera_ss_japan.pdf
https://www.synopsys.com/ja-jp/designware-ip/processor-solutions/ev-processors.html
https://www.synopsys.com/dw/ipdir.php?ds=arc-metaware-ev
https://www.synopsys.com/ja-jp/verification/prototyping/haps/haps-80.html
https://blogs.synopsys.com/from-silicon-to-software/2021/03/09/ai-image-processing/
https://www.synopsys.com/designware-ip/technical-bulletin/super-resolution-with-arc-ev.html
DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。
詳細情報はhttps://www.synopsys.com/ja-jp/designware-ip.html より入手可能。
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jp より入手可能。
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その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。
<お問い合わせ先>
日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940 FAX: 03-6746-3941
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