革新的な設計メソドロジで、新しいAIチップ・アーキテクチャ実現に立ちはだかる課題を解決するためIBM Research AI Hardware Centerと協業
概要
2020年10月21日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、次世代AIチップに必須の新しいチップ・アーキテクチャと設計メソドロジの開発を促進するため、IBM Research AI Hardware Centerと実施しているコラボレーションの最新状況について発表した。シノプシスは、AI Hardware Centerの最新テクノロジをフルチップで実装可能にするためIBM社と緊密に協業している。近い将来、商用化される予定である。このユニークな協業は昨年からスタートしており、評価の高いIBM社の研究機関が蓄積してきた豊富な専門知識をベースに、複数のビジネス・パートナーや、この取り組みを支持する大学ならびに政府関係機関との協力を得て展開されている。
IBM社との協業の包括的目標は、AIコンピューティング性能が1年で2倍に向上している現在のトレンドを今後10年以上に渡って継続させることである。この目標に向けて両社は、AI機能を搭載したハードウェア・チップを新しく設計し直すという事を明確に念頭に置き、AI技術の応用範囲を拡張してビジネス上の課題や世界が直面している問題を解決していくというビジョンの下に緊密に協業を重ねている。この協業の内容には、AIコンピューテーションに特化して設計/最適化した新しいコンピューティング・アクセラレータ、テクノロジ、アーキテクチャの開発が含まれている。
IBM Research社 ハイブリッド・クラウド担当副社長 Mukesh Khare氏は次のように語っている。「AIとハイブリッド・クラウドは共に、次世代のエンタープライズ・コンピューティングとAI技術の拡張に重要な役割を果たすでしょう。“次世代のAIに求められるものは何か” を想定した上で実現するためのIBM Researchの様々な取り組みの一環である新奇のハードウェア・ソリューションも、大切な役割を担っています。目標実現には、消費電力の増加を回避した上でコンピューティング・パワーを向上させられる新たなレベルのAIハードウェア・アクセラレータを構築する必要があります。また、新しいAIチップ・アーキテクチャを開発することにより、様々な企業がAIワークロードをハイブリッド・クラウド上でダイナミックに実行できるようになります。シノプシス社が提供してくれる広範囲にわたる比類なき専門知識と技術は、この取り組みにとって極めて貴重な原動力となります」
このアグレッシブなロードマップの実現に向けて、IBM Research AI Hardware Centerは既に、最先端プロセス・ノードを用いたデザインのテープアウトならびにテストチップを複数実現している。2029年までに性能を1,000倍向上させるというロードマップを達成するステップの1つとして、AIプロセッサ・コアの性能を毎年2.5倍向上させるという目標があったが、IBM Research社は、最初の1年でその2倍の成果を挙げた。
シノプシスは、設計/開発テクノロジとIBM社の研究者に協力する技術者の提供を通じてこの計画に参画しており、高度に複雑なAIチップの設計/検証/製造の前に立ちはだかる多くの重要課題の解決に注力している。特に下記の3分野で、その専門技術を提供している。
3DIC Compiler、Fusion Design PlatformTM、Verification Continuum® Platformを提供する。Verification Continuumには、最先端の機能検証ソリューション、プロトタイピングならびにエミュレーション・ソリューションが含まれており、開発されるデザインの規模ならびにその拡大に対応できる検証機能、ハードウェアとソフトウェアの協調設計/協調解析メソドロジを提供する。
新奇の半導体素材、3Dで構築されるゲート・オール・アラウンド・アーキテクチャ、EUVテクノロジを活用できるソース/マスク生成といった、最先端プロセス・テクノロジによってもたらされるクリティカルな製造/歩留まりの問題に対応できるツールを提供する。シノプシスのDesign Technology Co-Optimization(DTCO)ソリューションが、解決に向けた選択肢をより多く提供し、広範囲にわたる最適性の達成を支援する。
AIチップで必要とされるデータ処理能力、メモリー性能、リアルタイム接続能力に対応できる各種IPを提供する。LPDDR5やPCI Express® 5.0をはじめとするシリコン実証済みの各種DesignWare® IPにより、多岐に渡るアプリケーション分野をサポートできる機能を実現可能にする。
シノプシス AI & セントラル・エンジニアリング担当副社長 Arun Venkatacharは次のように述べている。「他に類を見ない今回の協業は、当社にとって、半導体バリューチェーン全体を繋ぐコラボレーションの一翼を担う素晴らしい機会です。IBM Research社のビジョンの実現には、抜本的に新しいアプローチでAIチップを開発していく必要があります。そのためには、設計/検証ツールからIPそしてワークフローや製造プロセスに至るまで、革新的な戦略が不可欠です。IBM Research AI Hardware Centerとの協業における当社の役割は、戦略的パートナー各社との協力の下、AIチップ・デザインの未来への駆動力となる開発プラットフォームを提供していくことです」
シノプシスとIBM Research AI Hardware Centerとの協業の詳細は下記より入手可能。
https://www.ibm.com/blogs/research/2020/10/ai-hardware-hybridcloud/
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、http://www.synopsys.com/japanより入手可能。
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