3社の協業により、次世代チップの開発期間を大幅に短縮
概要
2020年6月15日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、TSMC社ならびにMicrosoft Azure社との協業を通じ、クラウド環境で活用できる高度に拡張性の高い画期的なサインオフ・フローの提供を開始したことを発表した。3つの業界にまたがるパートナーシップで展開した数か月に及ぶ広範な協業の成果が、次世代SoCのサインオフ解析スピード向上に結実した。シノプシスのPrimeTimeによるスタティックタイミング・サインオフ解析とStarRCによる寄生容量抽出をMicrosoft Azure社のクラウド・プラットフォーム上で実行することにより、解析処理能力が劇的に向上する。
TSMC社 デザイン・インフラストラクチャ・マネージメント担当 シニア・ディレクター Suk Lee氏は次のように語っている。「最先端プロセス・ノードの進展や、ライブラリ・サイズの大規模化、解析実行時の条件の増加により、設計作業は複雑化を増しており、デザインのサインオフにかかる期間の長期化が重大な課題となっております。クラウド・プラットフォームを活用することによって、サインオフ工程を大幅に高速化し、シリコン・デザインの在り方を抜本的に変革する道が拓けました。当社は、クラウド上での設計を可能にするために設計エコシステム・パートナーやクラウド・プロバイダと協業を開始した最初のファウンダリです。Microsoft Azure社ならびにシノプシス社とのコラボレーションによるこのクラウド・アライアンスは、タイミング・サインオフ処理能力と実行拡張性の大幅向上を実現し、お客様各社が、SoCの市場投入にかかる期間を短縮するために必要なフレキシブルでセキュアかつ効率的な環境をご提供します」
Microsoft Azure社 シリコン/エレクトロニクス/ゲーミング部門 製品管理責任者 Mujtaba Hamid氏は次のように語っている。「プロセス・テクノロジが高度に複雑化する最先端ノードで設計期間を短縮するには、ツール実行インフラとツール・チェーンの両面で技術革新を実現する必要があります。今回の協業を通じて、サインオフ解析のやり直しにおけるコストとパフォーマンスのトレードオフに関して重要な知見を得ることができました。このソリューションにより、お客様各社では、シリコン製品の設計工程で効率的な決断を下すことが可能となります」
TSMC社のN5プロセスを用いた数百万ゲートのデザインに対して、Microsoft Azure社の最新の仮想マシン Edsv4シリーズが提供するハードウェア・インスタンス上で、PrimeTimeによるスタティックタイミング・サインオフ解析とStarRCによる寄生容量抽出を実行することが可能となった。サーバー台数を拡張して数百ものコンピューティング・リソース上で、PrimeTime DMSA(Distributed Multi-Scenario Analysis)とStarRCによるマルチ・コーナー解析を大規模に並列実行することにより、処理能力の大幅な向上を実現できる。またサーバー台数を減らしマシン単体で、マルチ・シナリオを実行することにより、開発コストを大きく削減することができる。
シノプシス デザイン・グループ デザイン・サインオフ担当上級副社長 Jacob Avidanは次のように述べている。「今回リーディングカンパニー各社と協業した結果、自社環境であれクラウド環境であれ、設計ツールとその実行プラットフォームが提供する処理能力の向上が開発期間短縮には欠かせないことがはっきりしました。当社が業界をリードするTSMC社認証済みPrimeTime/StarRCソリューションをMicrosoft Azure社のプラットフォーム上で実行することにより、お客様各社は、クラウドのメリットを活用して、TSMC社の最新のプロセス・テクノロジで性能/消費電力/面積の目標を達成しつつ、遥かに高速化した処理能力でチップ・サインオフを実行できるようになります」
詳細な情報は、ホワイトペーパー “TSMC Timing Sign-Off in the Cloud with PrimeTime and StarRC”に解説されている。TSMC-Online(https://online.tsmc.com/)よりダウンロードできる。
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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