消費電力/熱/ノイズを考慮した最適化も含めた2.5D/3Dパッケージのデザインならびにインプリメンテーションの自動化と可視化を実現できるシノプシスならではの設計プラットフォーム
概要
シノプシスのFusion Design Platformや、世界最高水準の設計/解析エンジンならびにデータモデルをベースにした3DIC Compilerが、統合されたエンドトゥエンドの設計ソリューションを提供。最先端マルチ・ダイ・システム設計に必要なあらゆる機能を単一の設計環境に統合。
2.5D/3Dパッケージ・デザインを可視化できる直感的な設計環境を提供する強力な3Dビューイング機能の提供により、解析のやり直しを劇的に削減、デザイン統合にかかる期間を大幅に短縮。
Ansys社のシリコン-パッケージ-PCBテクノロジとの統合により、システムレベルの信号/消費電力/熱解析を実現
2020年4月28日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、複雑な2.5Dならびに3Dのマルチ・ダイ・システム・イン・パッケージの設計と統合の手法を大きく変える開発プラットフォーム 3DIC Compilerを発表した。各種機能が類を見ないレベルで完全に統合された高性能で使い易い設計環境となっており、アーキテクチャ検討、インプリメンテーション、信号/消費電力/熱の最適化ならびにサインオフ解析を1つのプラットフォームで実行できる。3DIC Compilerを活用することにより、IC設計とパッケージングに関わる開発者は、マルチ・ダイの統合、協調設計、開発収束期間短縮をこれまでと異なる次元で達成できる。
サムスン・エレクトロニクス社 デザイン・プラットフォーム・デベロップメント担当 上級副社長 Jaehong Park氏は次のように語っている。「シノプシス社との協業を通じ、ハイエンド・ネットワーキングや高性能コンピューティングなどのシステムを開発されている両社共通のお客様に、最先端のマルチ・ダイ・パッケージ・ソリューションをご提供できるようになりました。シノプシス社が提供する統合プラットフォーム 3DIC Compilerは、最先端のマルチ・ダイ・パッケージ・デザインを可能にするという創造的破壊を業界にもたらすものです。3DIC Compilerは、2.5D/3Dマルチ・ダイ開発の全工程の中に従来存在したツール間の境界線を取り払ってくれます」
ICパッケージングの新時代
シリコンの能力の拡張や新しいシステム・アーキテクチャに対するニーズは留まることを知らず、システムレベルの性能、消費電力、面積、コストの目標を達成するためには、2.5Dならびに3Dのマルチ・ダイ統合は最重要の課題となっている。AIや高性能コンピューティングといった新しいアプリケーションの実現の前に立ちはだかる多くの課題を克服するため、システム設計チームはマルチ・ダイの活用に向かっている。これからは、チップレットや積層ダイのような新しいパッケージング・アーキテクチャを、広帯域あるいは低レイテンシ・メモリーと組み合わせて1つのパッケージに統合していく必要がある。
従来のICパッケージング・ツールの創造的破壊
2.5Dや3DのICの出現で、ICパッケージングには数十万ものダイ間接続が必要になるなど、SoCの大規模化に対処するケースと非常に類似した設計要件が生まれている。従来のICパッケージング・ツールは - 多くの場合緊密にとは言い難いものの - 既存の各種IC設計ツールと連携している。しかし、そのデータモデルの特性ゆえに拡張性の点で根本的な限界があり、昨今の複雑な3D ICのアーキテクチャで乗り越えなければならない複雑な設計要件に対処することができない。また、ツール間の分断やフロー統合が厳密でないことから、3D ICの設計をスケジュール通りに進められるかどうかが非常に不透明で、スケジュール遅延を引き起こしたり、設計が結局収束しないというケースも頻発している。
3DIC Compiler
シノプシスの3DIC Compilerは、ICデザインで用いているデータモデルをベースに開発されており、先進の3DIC構造に対しても、実行容量や性能を拡張することができる。また、設計プランニング、アーキテクチャ検討、デザイン、インプリメンテーション、解析、サインオフを全て1つの環境下で実行できる。さらに、全て(設計プランニング、アーキテクチャ検討、デザイン、インプリメンテーション、解析、サインオフ)の状況の視覚化のための360°3Dビュー、クロスプロービングをはじめとする各種のユーザーフレンドリーな独自のビジュアライゼーション機能を提供しており、ICパッケージング・ユーザービリティに全く新しい基準をもたらすものとなっている。
シノプシスは、複数の物理現象の相互作用シミュレーション技術を提供している世界的なリーディング・カンパニーのAnsys社との協業を通じ、Ansys RedHawkTMファミリーが提供しているシリコン実証済みの解析テクノロジと3DIC Compilerの統合を実現した。RedHawkは、3DIC Compilerのパッケージ・デザイン機能に緊密に統合された非常に高精度な信号/消費電力/熱解析データを生成する。これによって実現したRedHawkと3DIC Compiler間の自動バックアノテーション機能により、従来型の分断されたフローと比べてデザインと解析のやり直しを削減してデザイン収束を遥かに短期間で達成できる。
Ansys社 副社長兼ジェネラルマネージャー John Lee氏は次のように語っている。「複数のダイを積層する場合、個々のダイ内部での消費電力や熱解析だけでは、もはや十分とは言えません。フルシステムで同時に解析を行っていく必要があります。シノプシス社の3DIC Compilerとの統合環境下でマルチ・ダイ解析を行うことにより、設計者は、システム全体に対して信号/消費電力/熱の整合性を確保したより優れた最適化を実行することが可能となり、より短期間でサインオフ収束を達成できます」
シノプシス デザイン・グループ システム・ソリューション&エコシステム担当上級副社長 Charles Matarは次のように述べている。「3DIC Compilerは、主要顧客ならびにファウンダリ各社との緊密な協業を基に開発されており、3D ICデザインの新時代を切り開く準備ができています。3DIC Compilerは、SoCの大規模化にも対処可能な各種テクノロジを完全統合したソリューションにより、複数ダイの統合実現のための比類なきシステムレベルの総合的アプローチを提供しています。これは、今日の高度に複雑化した最先端デザインに不可欠なソリューションです。またお客様各社では、このソリューションの活用により、革新的なパッケージ・デザインの実現が可能となり、様々なシステム・アーキテクチャに対しても対応可能となります」
3DIC Compilerの詳細は、https://www.synopsys.com/ja-jp/implementation-and-signoff/3dic-design.htmlより入手可能。
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細な情報は、http://www.synopsys.com/japanより入手可能。
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