独自のRTLチューニング環境により、フィジカル設計のやり直し工程を削減
概要
高速動作の多目的・予測エンジン活用して、業界初のフィジカル設計考慮のRTL解析/最適化/サインオフ環境を提供するRTL ArchitectTMが、高品質なRTLハンドオフを実現
比類なきキャパシティとスケーラビリティを実現する単一のFusionデータ・モデルにより、フルチップのRTL階層設計フローを実現
シノプシスが業界をリードするインプリメンテーション・ソリューションならびにゴールデン・サインオフ・ソリューションのアルゴリズムを活用しているため、相関性の高い設計結果を実現
シノプシスとArm社が、次世代IPコアの開発期間を短縮するためRTL Architectの活用で協業
2020年3月16日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、RTL設計収束の前倒しを可能にする革新的な新製品 RTL Architectの提供開始を発表した。RTL Architectは、業界初のフィジカル設計考慮のRTL設計システムである。これにより、開発期間を半減し、優れた設計結果品質を実現することが可能となる。
RTL設計者は、特定のアプリケーションに最適なRTLアーキテクチャを短期間に開発しなければならないという課題に直面している。これらのRTLは、AIや車載システムなどの新しいアプリケーションで求められる厳しい高性能/低消費電力/小面積(PPA)の要件を満たす必要がある。RTL品質の結果予測に用いられてきた従来型のポイントツール・ソリューションは、その後のインプリメンテーション結果との誤差が大きいという深刻な問題を抱えている。設計工程の初期段階であるRTLの精度が低いと、その後のインプリメンテーション工程で補正作業を強いられることとなり、多くの場合はRTLに戻って修正を施さなければPPA目標を達成できないという事態になる。RTL Architectは、こうした問題を解決するため、シノプシスのFusion Design Platformで実行するインプリメンテーション工程の結果を反映できる高速動作の多目的・予測エンジンを活用しており、これにより、そのRTLデザインがもたらす下流工程でのPPA結果を高精度に予測することが可能となる。RTL設計者は、RTL Architectを用いることにより、RTLソースコードに潜むボトルネックをピンポイントで特定しRTLの品質向上を図ることが可能となる。
ルネサス エレクトロニクス株式会社 共通EDA技術開発統括部 デジタル設計技術部 部長 岡部秀之氏は次のように語っている。「当社では、複雑で高度な車載システムを支えるLSIを開発しています。マーケットでの差異化を可能にする最高水準の設計品質を実現するためには、アーキテクチャの精緻化が必須です。シノプシス社のRTL Architectを活用することにより、さまざまなアーキテクチャをRTL開発段階で検討/実証でき、開発後期に問題を露呈させない最良のRTLが設計可能となるでしょう」
Arm社 Central Engineering Group CPU開発担当副社長 Jeff Kehl氏は次のように語っている。「シノプシス社とのコラボレーションの次のステップとして、当社は、次世代のArm®プロセッサ・コアのRTL開発期間短縮に寄与するRTL Architectの開発で協業しています。当社の最先端コア開発メソドロジのなかでRTL Architectを活用することによって、より優れたCPUの開発が可能となります。これにより、両社共通のお客様各社は、数々の新しいマーケット向け製品の性能/消費電力の目標を達成できるようになります」
RTL Architectは、最先端プロセス・ノードで益々大規模化が進むデザインに対応するため、数十億ゲート規模のキャパシティと包括的な階層設計を実現できる単一のデータ・モデルを採用している。シノプシスが業界をリードするインプリメンテーション・ソリューションならびにゴールデン・サインオフ・ソリューションのアルゴリズムを活用しているため、開発初期段階で下流工程に対する精度ならびに相関性の高い設計結果を実現できる。
RTL Architectの高速動作の多目的・予測エンジンを用いることにより、RTL設計者は、RTLコードの変更が性能/消費電力/面積/配線密集にもたらす影響を予測可能になる。シノプシスのゴールデン・サインオフ・パワー解析エンジンであるPrimePowerの統合により、RTL段階で高精度な消費電力予測ならびに最適化が可能となるため、電力効率の高いデザインを実現できる。またRTL Architectは、開発フローに統合されているため、使い易く、主要な品質指標の達成度をシームレスに解析できる。ゲートレベルでPrimePowerを使用している設計者も、PrimePowerのRTLパワー予測を活用できるため、RTLからパワー・サインオフ解析までのフローで一貫性を維持した開発を進めることができる。
シノプシス デザイン・グループ エンジニアリング担当上級副社長 Shankar Krishnamoorthyは次のように述べている。「プロセス・ノードの微細化に伴い、短期間でRTLアーキテクチャの検討を重ねて実行することが最良のPPAの達成にとって重要な要件になっています。開発初期段階でこれらを可能にして最高品質のRTLを作り上げることが、最短期間で最高品質のデザインを開発するためには不可欠となります。設計企業でますます高まっているこうしたニーズに応えるべくRTL Architectは開発されました。これにより、設計者の皆様は、自信を持って優れたRTLを下流工程にハンドオフすることが可能となり、収束性の高い設計フローと最良のPPAを実現することが可能となります」
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