概要
ネイティブ・オートモーティブ・ソリューションにより、セーフティー・クリティカルなSoCに組み込むASIL適合の機能安全メカニズムを効率的に設計/検証可能に
カスタム・スクリプト・ベースの手法に頼ることなく、より使い易いツール環境で、ツール実行時間を短縮し、ジョブ実行キャパシティを拡大し、結果品質を向上させることができる、他に類を見ないソリューション
2019年10月15日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、より効率的な車載SoC開発を可能にする機能を各種ツールにネイティブ統合した新しいネイティブ・オートモーティブ・ソリューションを発表した。自動車では新しいテクノロジの搭載が急速に進んでおり、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)の実現に向けてより高度なASIL(automotive safety integrity levels)に適合した車載チップがこれまで以上に必要とされている。シノプシスのネイティブ・オートモーティブ・ソリューションは、モジュール三重冗長構成(TMR:triple modular redundancy)、デュアルコア・ロックステップ(DCLS:dual-core lockstep)、障害発生時に自動的に安全性を確保する(フェイルセーフ)有限ステート マシン(FSM:finite state machine)などの、機能安全(FuSa:functional safety)メカニズムを実装するための業界で最も包括的な機能を提供しており、これにより開発者は、所望のASIL基準の達成が可能となる。
ネイティブ・オートモーティブ・ソリューションが提供する他に類を見ない機能を活用することにより、開発者は、デジタル設計フローを通じて設計データとして用いられるセーフティー・メカニズム動作を表現するために、開発早期段階で他社に先駆けたFuSaインテントを作成することが可能となる。シノプシスのネイティブ・オートモーティブ・ソリューションは、協調動作することで効率を最大化する各種FuSaテクノロジが組み込まれた完全なデジタル設計フローを提供している。主要なテクノロジは下記の通りである。
高速静的解析ソリューション TestMAX FuSa
RTLやゲートレベルの開発初期段階で機能安全解析を実行し、TMRやDCLSなどの冗長性に拠るセーフティ・メカニズムが必要となる箇所を特定。これにより、所望のASIL基準を満たすための単一箇所における故障検出率(SPFM:s ingle-point fault metric)を達成することができる。
論理合成ソリューション Design Compiler® Graphical、配置配線ソリューション IC CompilerTMⅡ、デザイン・プラットフォーム Fusion CompilerTM
セーフティー・メカニズムを実装/チェック/レポートを実行する。
機能等価性検証ソリューション Formality®
RTLと、冗長性や追加ロジックが挿入された後のネットリストの機能が等価であるかどうかを検証する。
フィジカル検証サインオフ・ソリューション IC Validator
レイアウト後のデザインを検証し、全ての冗長性メカニズムが正しく実装されているかどうかをレポートする。
シノプシス デザイン・グループ デザイン・インプリメンテーション担当 上級副社長 Shankar Krishnamoorthyは次のように述べている。「次世代の車載システムの市場規模が拡大を続けている一方で、開発者の皆様は、厳しい開発スケジュールを厳守しつつ、必要となる機能安全性を確保しなければならないというプレッシャーに直面しています。当社は、機能安全メカニズムの設計/検証に必要になる機能をツールにネイティブ統合した業界初のソリューションをお届けいたします。これにより開発者の皆様は、セーフティー・クリティカルな車載SoCの開発期間を大幅に短縮し、結果品質を向上させることができます」
シノプシスのオートモーティブ設計ソリューション
シノプシスの包括的なオートモーティブ設計ソリューションは、複雑な機能安全性解析、実装、検証の機能を提供する。機能安全検証・統合ソリューションやネイティブ・オートモーティブ・ソリューションが提供する他に類を見ない設計/検証機能の活用により、開発者は、開発プランニング段階あるいはインプリメンテーション段階で、デザイン上のセーフティー機構が目標のASIL基準を達成できているかどうかを確認することができる。機能安全検証・統合ソリューションが提供する業界最高水準のテクノロジにより、開発者は、単一の統合コックピットを用いて機能安全性が確保されているかどうかを管理することができる。開発早期段階での機能安全解析により、TMRやDCLSなどの冗長性に拠るセーフティー・メカニズムが必要となる箇所を特定し、目標のASIL基準達成に必要な指標を確認することができる。ネイティブ・オートモーティブ・ソリューションは、TMRやDCLS、フェイルセーフFSMなどのFuSaメカニズムを効率的に実装/検証できる業界で最も包括的な設計機能を提供する。また、包括的なデジタル/アナログ故障注入ならびにシミュレーションを実行して、最終的な解析とその結果を取り込むための信頼性の高い指標を得ることができる。さらにシノプシスは、エレクトロマイグレーション(EM)や電圧降下(IR drop)、経年劣化などの信頼性の問題に対処し、堅牢性確保のための冗長ビア挿入(RVI:redundant via insertion)などを実現する完全なソリューションも提供している。また、多岐にわたるオートモーティブIP群も提供している。これらは、AEC-Q100で求められている信頼性を満たすべく開発/テストされ、ISO 26262 ASIL認証も受けており、車載品質マネージメントに対応したIPソリューションとなっている。
シノプシスの機能安全検証・統合ソリューションを構成する主要なテクノロジは以下の通りである。
VC Functional Safety Manager
高品質かつ拡張性の高い分散処理でFMEDA自動化を実行するツールであり、FMEA/FMEDAならびに一元化された故障対策により高い生産性を実現
TestMAX FuSa
RTLやゲートレベルの開発初期段階で機能安全解析を実行
Z01X
高速なデジタル故障シミュレーションを実行する実績豊富な故障シミュレータ
VC FormalTM FuSa App
フォーマル・フィルタリング機能により故障分類を短時間で実行
TestMax CustomFaultTM
機能安全/テストカバレッジの解析をフルチップで実行する高速アナログ/ミックスドシグナル故障シミュレータ
ZeBu®
膨大なソフトウェアを含めた時間のかかるテストを高速実行する故障エミュレータ
Verdi® Fault Analysis
業界を代表する必要条件トラッキング・ツールとも連携可能なデバッグ/プランニング/カバレッジ解析ソリューション
Certitude®
ISO 26262 Part 8-9に準拠して検証フローの堅牢性を証明する検証品質確認システム
提供可能時期ならびに関連情報
シノプシスのネイティブ・オートモーティブ・ソリューションは、2019年12月の一般提供開始を予定している。
www.synopsys.com/automotive.html
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software™)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。
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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940 FAX: 03-6746-3941
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