2019年9月17日、マウンテンビュー(カリフォルニア州、米国)およびミュンヘン(ドイツ) - 人工知能(AI)およびニューラルネットワークは、より安全かつスマートで環境にやさしい自動車の開発にとって重要な要素となりつつあります。次世代の車載用マイクロコントローラにおける AI ソリューションを支援するため、インフィニオン テクノロジーズ(FSE:IFX/OTCQX:IFNNY)はシノプシス(Nasdaq:SNPS)との連携を開始しました。インフィニオンの次世代 AURIX™ マイクロコントローラは、シノプシスの DesignWare® ARC® EV プロセッサIPで構成される並列処理ユニット(PPU)と呼ばれる新たな高性能AIアクセラレータを搭載します。
AIおよびニューラルネットワークは、将来の自動運転における物体の分類や目標追跡又は経路計画等といった分野において、重要な基盤技術となります。さらに、他の数多くの自動車向けの最適化を図ることで、ECUシステムのコストを削減し、性能を改善しながら早期の市場投入を実現する上で重要な役割を果たします。AIは標準的なアルゴリズムよりも遥かに高度な計算能力が必要となりますが、例えば、エンジンの自動キャリブレーションの最適化やシステム内で発生する物理的反応の正確な数学モデルを生成することでセンサの数を削減することも可能となります。
インフィニオンの自動車部門でマイクロコントローラ事業の責任者を務めるピーター・シェーファー氏(Peter Schäfer)は次のように述べます。「PPUをシノプシスと共同開発することで、弊社の次世代マイクロコントローラにて安全機能・高いスループットおよび高効率電力性能を実現し、AIで必要となる計算要件を満たすことが可能となります。これは、未来のゲートウェイ、ドメインおよびゾーンコントローラ、エンジン管理、エレクトロモビリティおよび高度なドライバー支援システム等の膨大なデータ処理を必要とする自動車向けに、AURIXを対応させることにもつながります。」
すでに現在、AURIXは特定の種類のニューラルネットワークに対応していますが、PPUはリアルタイムのAI能力を全く新しい次元に押し上げるものです。PPUの性能は、現在のアクセラレータを遥かに上回るもので、例えば、リアルタイムの制約により現在実現が困難な高度なセンサからのデータの処理もAURIXで可能となります。PPUは、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、多層パーセプトロン(MLP)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)および放射基底関数(RBF)等のAIアルゴリズムの加速化を図るものです。
「数多くのAIを実装化する上で、最も重要なのは安全性です。」と語るのは、シノプシスのソリューショングループでゼネラルマネージャーを務めるヨアヒム・クンケル氏(Joachim Kunkel)です。「当社のARC EV プロセッサの処理能力と安全機能をAURIXの実績あるアーキテクチャと統合することで、最高水準の安全性をもって自動車システムの開発を進めることができます。」
EVプロセッサは、自動車設計における安全適合アプリケーションソフトウェアの開発を迅速化するシノプシスのソフトウェア開発キット「MetaWare EV Development Toolkit for Safety」に対応しています。その結果AURIXツールチェーンにて、モデルベース設計を支援し、最新のソフトウェア設計戦略を可能にし、益々厳格化する早期の市場投入を実現することができます。
さらにPPUは、畳み込みニューラルネットワークを支援することで包括的な安全システムへの道を切り開きます。これは侵入探知および防止システムの技術(ディープパケットインスペクション又はシステムエントロピーモニタリング等)を支援する多層セキュリティ概念を実現するものです。
2019年ARCプロセッササミット
同連携の一環として、インフィニオンは、9月19日に開催されるARCプロセッササミットに参加して、「深層学習および複雑なデータ処理を使用したリアルタイムの自動車向けシステムモデリング(System Modelling for Real-Time Automotive Applications using Deep Learning and Complex Data Processing)」について発表を行います。
シノプシスについて
シノプシス(Nasdaq:SNPS)は、私達が毎日利用する電子製品およびソフトウェアアプリケーションを開発する革新的な企業を対象に「Silicon to Software™ (半導体設計からソフトウェア開発に至る領域)」の支援を行う会社です。世界第15位の規模を誇るソフトウェア企業として、シノプシスは電子設計自動化(EDA)および半導体IPのグローバルリーダーを務めた長い歴史を有しており、ソフトウェアセキュリティおよび品質ソリューションにおいてもその主導力を拡大しています。高度な半導体を創出するシステムオンチップ(SoC)設計者や最高の安全性および品質を要件とするアプリケーションを作成するソフトウェア開発者等の皆様に、シノプシスは、革新的で高品質かつ安全な製品の提供に必要となるソリューションをお届けします。詳細は、www.synopsys.com をご確認ください。
報道関係お問い合わせ先:
インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社
広報グループ 佐々木 洋子
住所:〒141-0032 東京都品川区大崎1-11-2
ゲートシティ大崎イーストタワー21F
TEL:03-5745-7341
E-mail:media.relations.jp@infineon.com
製品についてのお問い合わせ(読者お問い合わせ先):
インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社
<お問い合わせ先>
日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940 FAX: 03-6746-3941
2024/5/6 - シノプシス、ソフトウェア・インテグリティ・グループ事業のClearlake Capital社とFrancisco Partners社への売却で正式契約を締結
2024/4/24 - シノプシス、TSMC社の最先端プロセスを活用した次世代チップ・イノベーションを加速
2024/4/17 - シノプシス、包括的なソフトウェア・サプライチェーン・セキュリティ対策のための新ツールBlack Duck Supply Chain Editionを提供開始
2024/4/17 - シノプシス、オープンソース・セキュリティ&リスク分析レポートを発表 コードベースの74%に高リスクのオープンソース脆弱性、前年から54%増加