ISO 26262のASIL BならびにASIL D基準準拠のDesignWare ARC Processorsにより、ADAS、Radar/LiDAR、車載センサー向けSoCの機能安全規格への準拠認証にかかる期間を短縮
概要
ASIL BならびにASIL D対応の新しいDesignWare® ARC® EM22FS、HS4xFS、EV7xFSプロセッサが、安全性への要求の厳しい車載SoCの開発を容易化し、ISO 26262準拠認証にかかる期間を短縮
ハードウェア・セーフティー機能を補完するソフトウェア・テスト・ライブラリが、ハードウェア設計に冗長性を持たせることなくASIL B準拠を可能に
ARC EM22FS、HS4xFS、EV7xFSプロセッサ向けのISO 26262準拠ソフトウェア・コードの開発を容易化するASIL D認証済みのMetaWareコンパイラならびにMetaWare EVコンパイラ
2019年9月16日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、DesignWare ARCプロセッサIPの機能安全(FS:functional safety)バージョンを発表した。これにより、車載向けSoCの開発が容易になり、開発期間も短縮する。セーフティー面の改善が施されたDesignWare ARC EM22FS、HS4xFS、EV7xFSからなる新しいプロセッサ群は、超低消費電力コントロール・モジュールからAIベース・ビジョン・プロセッシングに至るまで幅広い車載ユースケースに対応できる。ARC “FS”コアは、リダンダント・プロセッサ、誤り訂正コード(ECC: error-correcting code)、パリティ・プロテクション、セーフティー・モニター、ユーザー・プログラマブルなウィンドウ・ウォッチドッグ・タイマーなど、システムエラー検出のための各種ハードウェア・セーフティー機能を統合している。また、機能安全性向上マニュアル、FMEDAならびにDFMEAレポートをはじめ、各種の機能安全関連ドキュメントも包括的に提供されるため、SoCレベルでの機能安全準拠性の評価にかかる期間を短縮できる。さらに、DesignWare ARC MetaWare Development Toolkit for Safety(EM22FS、HS4xFS用)ならびにMetaWare EV Development Toolkit for Safety(EV7xFS用)により、ISO 26262に準拠したソフトウェア開発の容易化を支援する。
DesignWare ARC EM22FSプロセッサは、車載センサー、ブレーキング/ステアリング・システム、キーレス・エントリーといったアプリケーション分野で求められるASIL D水準の安全性を満たすため、超低消費電力なデュアル・コアによるロックステップ機構を搭載している。ロックステップ機構を必要としないASIL B水準のアプリケーションの場合には、独立動作するデュアル・コア・アーキテクチャに変更することもできる。DesignWare ARC HS4xFSプロセッサは、シングル/デュアル/クワッド・コアで構成することができ、車車間通信(V2V:vehicle-to-vehicle)、路車間通信(V2I:vehicle-to-infrastructure)、電気自動車へのバッテリー充電といった、高い性能が求められる機能安全アプリケーションの実現に適している。また、EM22FSプロセッサならびにHS4xFSプロセッサは、DesignWare STAR® Memory System、STAR Hierarchical System、STAR ECC、TestMAX XLBISTといったシノプシスのテスト・ソリューションとの緊密な統合により、ASIL D準拠SoCの機能安全マネージャーとしても用いることができるため、車載システムのための包括的な機能安全テスト・ソリューションとして機能する。また、車載システムの組込みアプリケーション・ソフトウェアの開発/デバッグ/最適化のための包括的なソリューションであるDesignWare ARC MetaWare Development Toolkit for Safetyが、両プロセッサ・ファミリーをサポートしている。このツールキットは、ASIL D認証済みコンパイラや、セーフティー・マニュアル/セーフティー・ガイドなどの機能安全関連ドキュメントなどを提供しているため、ISO 26262規格が求める要件の達成だけでなく、コンプライアンス・テストの準備も支援する。
マルチコア・ビジョンCPUと高性能ディープ・ニューラルネットワーク(DNN)エンジンを搭載したDesignWare ARC EV7xFSエンベデッド・ビジョン・プロセッサには、セーフティー・クリティカルなハードウェアのための各種セーフティー機能が組み込まれており、ADASやレベル3以上の自動運転システムに不可欠なビジョン機能、レーダー、LiDARなどのアプリケーションに求められるASIL BあるはD基準の達成を支援する。また、“ハイブリッド”オプションにより、必要に応じて、ソフトウェアと実チップの両面でASIL Dまでのセーフティー水準を選択できるため、急速に高度化する要件に対応しなければならない車載システム開発チームにとっては、より柔軟なソリューションとなっている。DesignWare ARC MetaWare Development Toolkit for Safetyは、このEV7xFSプロセッサ・ファミリーもサポートしている。
シノプシス IPマーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「自動車への組込みプロセッサの搭載は急速に普及しつつありますが、こうしたプロセッサ・ベース・システムの開発者にとっては、機能安全基準をクリアすることが必須条件となります。当社は、多岐にわたるASIL準拠プロセッサIPならびにソフトウェア開発ツールの提供を通じて、開発者の皆様が、セーフティー・クリティカルな車載SoCの開発と規格準拠性認証の取得にかかる期間を短縮できるよう支援しています」
ARC Processor Summit 2019
EV7x Vision Processorsならびに各種ARCプロセッサについての詳細は、各地で開催されるARC Processor Summitでご確認いただけます。
カリフォルニア州サンタクララ:2019年9月19日 ARC Processor Summit Silicon Valley
台湾 新竹市:2019年10月16日 AIoT Summit Taiwan
中国 北京市:2019年11月13日 ARC Processor Summit China
東京:2019年11月19日 ARC Processor Summit Japan
提供可能時期ならびに関連情報
DesignWare ARC EM22FS Processorは、2019年 第四4半期からの提供開始を予定している。詳細情報は下記より入手可能。
DesignWare ARC HS4xFS Processorsは、2020年 第一4半期からの提供開始を予定している。詳細情報は下記より入手可能。
DesignWare ARC EV7xFS Processorsは、2020年 第二4半期からの提供開始を予定している。詳細情報は下記より入手可能。
ASIL D準拠のSTAR Memory System、STAR Hierarchical System、STAR ECC、TestMAX XLBISTは、既に提供を開始している。
STAR Memory Systemの詳細情報は下記より入手可能。
https://www.synopsys.com/dw/ipdir.php?ds=dwc_bist_ip
STAR Hierarchical System詳細情報は下記より入手可能。
https://www.synopsys.com/dw/ipdir.php?ds=star-hierarchical-test
SoC機能安全テスト・ソリューションの詳細は下記より入手可能。
DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。
詳細情報はhttps://www.synopsys.com/ja-jp/designware-ip.htmlより入手可能。
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940 FAX: 03-6746-3941
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