次世代プロセス・テクノロジ早期実現のための緊密な協業により、継続的なイノベーションを実現
概要
広範囲にわたる協業を通じ、シノプシスとサムスン・ファウンダリがgate-all-around FETのシリコン・バリデーションに成功、次世代のトランジスタ・テクノロジを実現
Design Compiler®、IC Compiler™Ⅱ、PrimeTime®、StarRC™などで構成するシノプシスのFusion Design Platform™がフロー全体を通じて、目標とした消費電力/性能/面積のバリデーションを達成
IC Compiler IIが、次世代プロセス・テクノロジの実用性実証の鍵を握る業界初の成果を達成
2019年2月20日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、配置配線ソリューション IC CompilerⅡを核にしたFusion Design Platformが、マルチコア・サブシステムを複数搭載したサムスン・ファウンダリの業界初のgate-all-around(GAA) SoCテストチップのテープアウトに成功したことを発表した。プロセス/デザイン実用化に向けた数多くの協業実績に裏づけされた今回の記念すべき成功は、最先端の半導体デザインの要求を満たすことができる次世代のトランジスタ・テクノロジであるGAAトランジスタ・アーキテクチャが実用化段階に入ったことを実証するものである。今回のブレークスルーは、IC CompilerⅡの拡張性の高いアーキテクチャと、プロセス・ジオメトリの微細化に起因する課題を効率的に解決する能力によって可能となったものであり、最先端プロセスノードの実用化に向けた業界最良のソリューションとしてのIC CompilerⅡの地位を一層確固たるものにした。
サムスン・エレクトロニクス社 デザイン・プラットフォーム開発担当 上級副社長 Jaehong Park氏は次のように語っている。「当社はこれまで、多くのお客様各社に差別化されたプロセス・テクノロジを提供していくための企業努力を続け、数多くの業界初を実現してまいりました。今回のGAAテストチップのテープアウト成功は、当社のコミットメント継続を実証するものです。このテクニカル・ブレークスルーをもたらした迅速かつ実り多い協業は、シノプシス社が業界のキー・イノベーターであり信頼できるテクノロジ・パートナーであることを明確に示しています」
最先端の超微細化プロセスがもたらす課題を解決するには、EDA企業とファウンダリが協力してこれまで以上に緊密な共同開発を推進する必要がある。最先端プロセスでは、トランジスタの密度と稼働率の増加、デザインルールと配線性の複雑化、ばらつきの増加といった課題が発生する。こうした複雑性に対処できるよう設計ソリューションを最適化することが、新しいプロセス・ノードの実用化に当たって最重要のテーマとなる。こうした複雑性の問題の幾つかは、先進の極端紫外線(EUV)ベースの製造技術によって緩和できるものの、レイアウトに起因する現象やセル間の相互作用といった問題に対処するためには更なるイノベーションが必要となっている。サムスン・ファウンダリとシノプシスは、高い配線効率とそれに伴うパターニング・メソドロジの実現に共同で取り組み、今回の最新プロセス・ノードの実用化の鍵を握る強力な設計プラットフォームを実現した。またIC CompilerⅡは、配置/リガライゼーション/配線といった設計フローの全域にわたって各種設計テクノロジを緊密に統合していくエンハンスメントを継続しており、こうした機能向上もサムスン・ファウンダリがこの最新プロセスでロジックエリアの削減目標を達成するに当たって大きく貢献した。サムスン・ファウンダリのGAAは、ゲート動作の制御性向上とトランジスタ内部の寄生容量削減を実現できるプロセス・テクノロジであるが、このプロセスが持つ消費電力/性能/面積のポテンシャルを引き出すためには、次世代の最適化テクノロジが必要となる。シノプシスのスタティックタイミング・サインオフ・ソリューション PrimeTime、寄生容量抽出サインオフ・ソリューション StarRCとの連係動作がもたらすIC CompilerⅡのサインオフ相関性の高い解析エンジンによって、業界をリードするフルフローのトータル・パワー・ドリブン最適化フレームワークが一層強化されており、消費電力/性能/面積の目標達成に向けた設計収束性向上と期間短縮が可能となっている。
Fusion Design Platformの詳細は下記より入手可能。
https://www.synopsys.com/implementation-and-signoff/fusion-design-platform.html
シノプシス デザイン・グループ 共同ジェネラル・マネージャー Sassine Ghaziは次のように述べている。「長年にわたって、その時々の最も複雑なデザインを可能にし、最先端プロセスの実用化に向けた技術革新をリードして、次世代の高性能SoCを実現してきた実績は、当社の誇りです。サムスン・ファウンダリは明確なビジョンを持った協業相手であり、今回のGAAプロセスでIC CompilerⅡならびにFusion Design Platformが打ち立てた実績により、高度に差別化された技術の開発と、協業を通じて業界をリードしていくために当社が継続してきた投資の正しさが証明されました」
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。
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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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