AIチップ・デザインで、優れた性能/低消費電力/小面積を達成したシノプシスのFusion Technology
概要
AIにフォーカスした最適化テクノロジで強化した包括的なデジタル/カスタム設計フローにより、業界最高水準の設計結果品質と開発期間短縮を実現
Graphcore社が、シノプシスのDesign Platformを用いて高性能/低消費電力/小面積と、より短期間での設計収束を達成
シノプシス・ソリューションが、グラフ・コンピューティングを大量に並列実行できる235億トランジスタ/1,200浮動小数点プロセッサからなるSoCを実現
2018年9月18日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、Graphcore社がシノプシスのDesign Platformを用いて、既存のプロセッサ(CPUならびにGPU)と比較して非常に高速なAI処理を実行できるIPU(Intelligent Processing Unit) “Colossus™”の開発に成功したと発表した。シノプシスの包括的なデジタル/カスタム設計フローは、AIにフォーカスした最適化テクノロジにより強化されており、設計者はクラウド・コンピューティング/データセンター/車載システム/モバイルといったアプリケーション向けのAIチップの開発で、目標とする設計結果品質と開発期間を達成することができる。シノプシスのFusion Technology™は、内部配線プランニング、積和演算(MAC)トポロジー最適化、完全なAI向けIPフローといったAIフォーカス最適化テクノロジにより機能拡張がなされており、最大限の性能、最小限の面積と消費電力、あるいはこれらの最適なバランスを取ったチップを実現できる。
人工知能を研究する非営利団体 OpenAI によると、AIが持つ潜在能力へのニーズは2012年以降3.5ヶ月毎に2倍のペースで膨らみ続けているが、求められる処理能力の達成に必要な性能/電力効率/待機時間の条件はエスカレートしており、既存のCPUあるいはGPUを性能限界に追い込みつつある。Graphcore社のIPU Colossusは、こうしたAI処理にの実行に向けて最適化が施されたプロセッサで、チップ全体にニューラル・ネットワークが構築されている。大量に並列実行できるグラフ・コンピューティング機能と低精度浮動小数点演算機能を搭載し、他のソリューションと比較してより大規模な演算処理能力を発揮するため、マシンラーニングのトレーニングと推論をこれまで以上に高速化することができる。
Graphcore社 シリコン担当副社長 Phil Horsfield氏は次のように語っている。「Fusion Technologyを搭載したシノプシス社のDesign Platformは、AIならびにマシンラーニングの実行に求められる高性能プロセッシング・パフォーマンスの達成に必要なあらゆる設計機能を提供してくれます。現在そして未来に向けてAIアプリケーションを進化させているダイナミックかつめまぐるしく変化するマーケットにColossus IPUを送り出すのに、シノプシス社との協業は大きな役割を果たしてきてくれました」
一般にAIチップは、高い処理性能と電力効率、待機時間の削減を実現するため、数千もの同じ構造のプロセッサを搭載している。これらのプロセッサ・コアは、困難な相互接続構造が必要な非常に高度なビルディング・ブロックであり、設計に当たっては配線密集により配線性が大きな制約を受ける。最良の消費電力、性能、面積ならびに配線密集緩和と、歩留まり向上、設計収束短期化を実現するシノプシスのFusion Technologyは、AIチップ設計に最適なテクノロジである。Fusion Technologyは、AIチップ上に実装される同じ構造を持つ数百のモジュール間の内部配線プランニング、MACトポロジー最適化、完全なAI向けIPフロー、フロー全体を通じたクロック/データ同時最適化、ワイヤーシンセシス(遅延や電気特性違反の解析/修正なども含めた配線最適化)、論理再構成といったAIフォーカス最適化テクノロジにより機能拡張がなされている。そして、論理合成ソリューション Design Compiler® Graphical、配置配線ソリューション IC Compiler™Ⅱ、スタティックタイミング・サインオフ・ソリューション PrimeTime®、RC抽出ソリューション StarRC®、カスタム・レイアウト・ソリューション Custom Compiler®、キャラクタライゼーション・ソリューション SiliconSmart®、回路シミュレーション・ソリューション HSPICE®からなる包括的なシノプシスのデジタル/カスタム設計フローが、業界最高水準の設計結果品質と開発期間短縮を実現する。
シノプシス デザイン・グループ 共同ジェネラル・マネージャー Sassine Ghaziは次のように述べている。「シノプシスは、コンピュータ・ビジョン、オブジェクト/音声認識、ビッグデータ解析といった分野のパイオニア企業各社との協業を重ね、AIチップ設計ソリューションで業界をリードしています。Graphcore社のIPU Colossusは、あらゆる無駄なプロセッシング・パワーを大幅に削減して、桁違いの演算効率でチップ上のデータ処理を実行しなければならないAIアプリケーションに強力なコンピューティング能力を提供するという意味で、マシンラーニングにとって重要な成果です。Fusion Technologyをご活用いただくことにより、Graphcore社のようなAIチップ開発企業様は、業界を驚かす高度に差別化されたSuper Chipを短期間でマーケットに投入できるようになります」
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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